後になって考えると、ああそうだったのかと思います。
その日の朝、いつも引出しの周辺しかうろうろしないBOUが
トコトコ歩いて隣の部屋の家人のところまで来たらしい。
「BOUどうした?」と話しかけたら、ピー!と鳴いて
また台所に戻って行ったと言っていた。
BOUは、午後台所でご飯を作っている私の足元にも トコトコ来た。
やはり「BOUどうしたの?」と言って手を出すと乗ってきて
いつもは引出しに逃げていくのに、しばらく手の上で甘えていた。
その後、買い物から帰って来たら、引出しの中が空っぽ。
名前を呼びながら、床に頭をつけて探しまわったら
ゴミ箱ラックの下の、8㎝くらいの隙間で、
すでに息絶えて、動かなくなっていました・・・・・。
朝からの不思議な行動は「お別れの儀式」だったんだ・・・。
BOUは死を予感していたのかもしれません。
飼い鳥でも、最後は、人目につかないところに行って
ひっそりと死ぬんだなーと、そんな事をぼんやりと考えつつ
不思議な動物の本能に触れた気がしました。
この家の祖父は、いつものように暮らし、
夕方、ソファーに座ったままで、天寿を全うしました。
なんか、祖父の事を思い出しました・・・。
自然な形で、ある日天寿を迎える。
BOUも一番幸せな最後の終わり方でしょう。
幸せな鳥のはずです。
それでも、11年間の生活の習慣は抜けなくて
歩く時に、ふっと下にいないかと床を見る。
そして、いないんだーと思いだす。
いないことに慣れるまでに時間がかかります。
BOUを長い間、愛してくださってありがとうございました。