自分では覚えていないのですが、「鍵盤が足りない…」とぐずったそうで、
両親は私の為に,ピアノを買ってくれました。でも、ほどなくピアノはやめてしまい、
弾けないピアノがあるという挫折感と、高価なものを買ってもらったのに…という
後ろめたさで、ピアノは私にとってはずっと心の重荷で、目障りな存在でした。
自分が嫌だったので、子供が出来てからもピアノは習わせるつもりはなかったし、
中国の学校に、いらなくなったピアノを贈る活動があるので、そんなところにでも
いずれは役立ててもらおうか…と本気で思っていました。
ところが、小2のある時、子供の方から「ピアノを習わせて欲しい…」と言い出しました。
基礎を2年間だけ…という約束でしたが、やがてキーボードでは鍵盤が足りなくなり
部屋で引くなら、コンパクトな今どきの電子オルガンを買って上げる…というのに
「下のピアノは直せないの?あれを修理して弾きたい…」との事。
電子オルガンの電気の音よりも、普通のピアノの音が好きなのだそうです。
私だったら新しい方がいい!と思うのにな~。音もいくつか出なくなっています。
いろいろと聞いて調べて、調律師さんに来てもらえる事になり、蓋を開けたら
昭和48年に調律した記録が出てきて、驚きました…。
30年余りほったらかしだったのです。
あれから数年…今年も調律をしてもらい、今はとても綺麗な音が出ています。
もう少しで処分しかけたピアノ、今頃になってありがたさを感じています。