ちいさなつぶやき by shino

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小説「逃避行」

年末年始、本当は忙しくてなかなかそんな時間はないのですが、

図書館も長い間休みになるので、ごっそり本を借りてきました。

特に好みはないのですが、熱中して読めるので小池真理子

乃南アサ桐野夏生、桐野典子、篠田節子あたりの本棚は恒に

新しいのがはいっていないかチエックしています。今回篠田節子

棚にあった「逃避行」という本は読み始めてみると、犬の話で、

飼い犬のゴールデンレドリバーが隣の子供のいたずらに怒り、

子供をかみ殺してしまうという事件から始まりました。

世間の目や隣の家に配慮して「保険所にやる」という家族に対して、

「この子は悪くない。絶対に殺させない!」と

犬と一緒に家出をする主婦・・・。犬への愛情だけでなく、

夫婦の関係や子供との関係など、家族の今までのずれが

どんどん出てきます。常識から考えると犬を殺すのが

普通のような気がしますが、この主婦も責められません。

たまたま自分も犬を買い始めたこともあり、もし、自分の犬が

人を噛み殺してしまったらどうするか、はたまた犬にここまで愛情を

持てるかなどなど、読みながらずいぶんと考えてしまいました。

読んだ後も、誰が正しくて、誰が間違っているのか・・

う~ん、と考えさせられる作品です。

犬好きの方・・・一度読んでみては・・・。